子どものモチベーションを上げるには
期待+コミュニケーション
子どものモチベーションアップに期待とコミュニケーションが効果的だと言われています。子どもの行動が変わるというよりも、変化するのはむしろ親の行動です。期待をかけている子どもに対して、褒めたり励ましたりする行為が増えることから、子どもが期待に応えようとしてモチベーションが上がり、成績の向上につながります。
ただし、単に「期待している」と漠然とした声かけをしてもあまり意味はありません。子どもの学習のプロセスや行き詰っている部分などを把握した上で期待を込めたコミュニケーションをすることで、子どものモチベーションアップにつながるでしょう。
ご褒美をあげる
子どもにご褒美をあげる行為は賛否両論あるかもしれません。しかし、やるべきことを習慣化させるのに、ご褒美は十分役立ちます。ご褒美をあげることを避けたいと考える理由には、外から与えられるモチベーションだからということがあるでしょう。確かにご褒美で釣るのは、最初は外から無理やり与えるモチベーションです。しかし、継続することで自発的なモチベーションに変化します。
ご褒美をあげるときに気を付けたいのは、結果を出す前のプロセスに対してご褒美をあげるようにすることです。毎日一定時間勉強をしたり読書をしたりするなど、「努力」の部分にご褒美を与えるとより効果的とされています。
習慣化されたら「モノ」→「言葉」へ
自律性がどれだけあるか
子どものモチベーションを維持するには、自律性も大切です。子どもの自律性とは、親にとって都合の良い子ではなく自分で考えて行動しようとする意志を指します。親が子どもの興味・関心ややりたいことを大切にし、必要以上に手を出さないようにすることで積極性が生まれ自発的に努力しようというモチベーションにつながるのです。自律性がどれだけあるかで、モチベーションの種類分けができます。
外的動機づけ
モチベーションの最初の段階が、「特に何もやりたいと思えない」状態である「無動機づけ」です。何に対してもやる気がない無動機づけの一段階上には、「外的動機づけ」があります。「これをやればご褒美をもらえる」、「逆にこれをやらなければ叱られる」といった動機です。
取り入れ的動機づけ
外的動機づけの次の段階が、「取り入れ的動機づけ」です。「周りのみんなに負けたくない」「恥ずかしい思いをしたくない」などの周囲から影響で行動に移す動機になります。外的動機づけよりも自分の内側からのモチベーションではありますが、「周囲が大丈夫なら自分もそれで良い」という傾向になりやすいため動機づけの効果としてはやや薄いと言えるでしょう。
同一化的動機づけ
「同一化敵動機づけ」は、取り入れ的動機づけの次の段階です。周囲の影響は受けずに「勉強をしなければこの大学に合格はできない」「この試験に合格すれば自分の人生や夢に役立つ」「逆にこれをしてしまうと夢は叶わない」といった行動と動機が一致している状態を「同一化的動機づけ」と呼びます。
内発的動機づけ
「内発的動機づけ」は、動機づけ5段階の中で最後の段階です。純粋に「やっていて楽しいからこれをする」ことを取り組む目的としています。内発的動機づけがモチベーションとしては最も効果的です。
まずは「ご褒美」や「締め切り」から
最初から「好きだからこれをやる」を実行させるのは、とても難しいでしょう。最初の動機づけとしてご褒美や締め切りなどの簡単な動機づけを活用することで、徐々にモチベーションの段階アップができます。外的動機づけから始まり、取り入れ的動機づけ、同一化的動機づけ、内発的動機づけとステップアップが進めば、やがて「周囲に負けたくない」「もっと自分を成長させたい」などのモチベーションや継続率の向上にもつながるはずです。動機づけの段階アップには、子どもに重要性を理解してもらうための話し合いもしましょう。またせっかく自律性が高くなったのにご褒美などを与えると、やる気をなくす原因になるため注意が必要です。
自分がお手本になる
親が子どもに言うだけで、行動に移してくれるなら苦労はありません。子どもの動機づけを促しモチベーションを形成するためには、まず親が率先してお手本となるのが大切です。子どもは、大人が思っている以上に周囲をよく見ています。子どもに推奨していることと親が実際にやっていることが違えば、子どもは推奨されていることが本当に良いとは思いません。親の一貫性のある行動が、子どものモチベーションにつながります。
学習性無力感を解消する
成長スピードには個人差があります。勉強をしても結果が伴わなければ、子どものモチベーションは下がり「学習無力感」に陥ります。「学習無力感」とは、「何をしても意味がない」「自分がやっている事は全て無駄」などの無気力になっている状態です。頭の良さには生まれつき個人差があると説明し、学習や練習を繰り返すことで結果や成功に繋がると実感させると「学習無力感」から解放できます。
まとめ
子どものモチベーションを上げるためには、親からの期待と期待に基づくコミュニケーションが大切です。そして、自発的な動機づけを育むためには、ご褒美や締め切りを活用するところからはじめるようにしましょう。子どもは親の行動をよく見ています。まずは親自身が一貫性のある行動で良きお手本を見せられるよう意識してください。