東大生の親の子育て方針
頭の良い子どもが育った環境には共通点があり、親の子育て方針にも傾向があります。子どもたちの学力を伸ばすにはコツがあるのです。
東大生の親がモットーとしてきた子育て方針を元に、頭の良い子どもに育てるための方法について紹介します。
東大生の親は子どもに勉強を強制しない
東大生の親は必ずしも子どもに「勉強をしなさい」と強く言っているわけではありません。むしろ熱心に勉強をするように勧める親は少なく、子どものモチベーションを下げる言葉を使わない傾向にあります。勉強を強制すると子どもにストレスがかかってしまうため、子どもに勉強をするよう強く促すのは好ましくないという方針でしょう。
東大生の親は子どもにたくさんの「質問」をする
子どもが宿題で分からない問題にぶつかったとき、答えを教えてあげるのも良くありません。
親が丁寧に答えを教えてあげると「親が教えてくれる」という感覚を子どもが持ってしまう可能性があるからです。「できなくても教えてくれる」と思われてしまっては、子どもの自立心がしぼんでいきます。子どもが分からない問題に躓いたときは、答えを知っていたとしても知らないふりをして一緒に考えてあげましょう。
その際、答えに導くためにたくさん質問をしてあげると良いです。上手に質問をして考えさせ正解にたどり着くことができれば、子どもの自信に繋がり自立心も養われていきます。親がすべきなのはあくまでバックアップ。答えを安易に教えるのではなく、子どもが自分で考えて正解を見つけられるようフォローしてあげてください。
また子どもが勉強をしないときは、叱るのではなく「なぜ宿題をしないの?」と質問するよう心がけるのも大切です。
勉強の習慣をつける方法
東大生の親は、自分で考える大切さを知る、生活のすべてを勉強時間と捉える子どもに育てます。勉強とは生活に根づいたものであり、机の上で教科書を開くだけが勉強ではありません。例えば、小説を書くことは漢字や言葉を学ぶ機会になり、お小遣いのやりくりを考えることは数学の勉強になります。大河ドラマを見たり歴史ドラマを見たりすることも歴史に興味を持つきっかけづくりになるのです。
東大に入る子供を育てるには、勉強と生活を切り離さないのがポイント。実際に、東大の入試問題では社会問題が出題されたり、トランプのブラックジャックを基にした問題が出題されたりなど、日常生活の延長線上のような問題が出ています。このような出題傾向から、問題の制作者が日常生活と学びを結び付けられているか見極めようとしているのが分かるでしょう。
もちろん机の上で教科書を開いて勉強することも大切です。その勉強を習慣づけるコツは、時間を決めてルーティーン化することにあります。
子どもの勉強は短時間で集中してさせる
勉強は量も大事ですが質も大事です。たとえ長時間勉強していたとしても、勉強時間内に居眠りやスマホを触っている時間が多くては質が良いとは言えません。勉強時間は短くても構わないので、集中するのが大切です。効率よく学力を伸ばすことができ、習慣として生活に組み込みやすくなります。できるだけ時間を決めて、毎日同じ時間に集中するのもポイントです。
わからないところはすぐに解決させる
わからないところはすぐに解決させるようにしているのも、東大生の親によくみられる傾向です。学校の授業で分からないことがあったとき、後回しにして放置してしまう子どもは多いですが、小さな疑問も溜まると苦手の元になります。勉強に対して苦手意識が生まれるのを防ぐには、分からないことはすぐに解決するのが有効です。
「分からないことがあれば聞いてね」と声かけをしておくほか、疑問があったら質問できる環境や癖をつけさせるのがポイント。なお、小学生のテストは授業で教わった内容や宿題と同じレベルの問題がほとんどなので、自宅学習で基礎的な内容を押えておくだけで十分です。
子どもの内から先取り学習すべき?
「東大に入るためには、子どもに先取り学習をさせなくては…」と考える人がいるかもしれませんが、その必要はありません。進学塾などでは例外的にカリキュラムを早く進めているところもありますが、それは中学受験を見越してのことでしょう。基本的には、その学年で学ぶべき内容をきちんと理解していることが重要です。
そのため、勉強を先に進めることよりも、内容を深く理解することをさせるのをおすすめします。ペースを早くすることばかり意識して、取りこぼしがあったり苦手科目ができてしまったりしては元も子もないので、目の前のことからじっくりと向き合っていきましょう。
まとめ
東大生を育てる親は、子どもが勉強に対して苦手意識を持たないよう、勉強を強制せず子どもが自発的に勉強するのを見守り、適切な距離感を保っています。子どもの学力を伸ばすために、やたら難しい内容を先取りしたり長時間勉強させたりする必要はありません。学校の授業と同じ速度で学習を進め、自宅学習も短時間で良いのです。ただし、質の高い勉強時間が求められます。その為には、集中して勉強に取り組める環境を整えてあげる事が大切です。